株式会社伊藤鋳造鉄工所

製造とは

“鋳造”とは、つくりたい形と同じ形の空洞部を持つ鋳型(砂でできた砂型、金属でできた金型等があります)に溶解した金属を注入し、金属が固まったら型を外して製品を取り出すという金属の加工方法です。鋳造は他の金属加工方法に比べ、より複雑な形や大型のものを生産する事ができます。
鋳物の歴史は古く、紀元前4,000年頃にメソポタミアで始まったと言われています。
日本に伝わったのは紀元前300年頃。1世紀に入ると銅鏡、銅剣などがつくられるようになり、奈良時代には仏像や梵鐘などが盛んにつくられました。日本各地に鋳物づくりが広がったのは、平安時代半ばのことです。

鋳造の流れ

方案設計

鋳造に関わる各要素の企画・設計を行う工程です。鋳型内部で凝固・収縮していく過程で欠陥を生じさせないための重要な工程です。

模型作成

製品の形状を砂型にうつす型を製作します。当社では、主に木製の型を使用しています。

模型製作事業

造型

砂と自硬性アルカリフェノール樹脂と混練して型に充填し、硬化させます。

ティーチングミキサー

砂型造形工程にはロボット化・IoT化を実施し、自動化を図りました。ミキサーアームに鋳物製品別の動作を記憶・再生(ティーチング・プレイバック)させることで動作のバラつきを解消。と同時に、資材のムダ削減、品質の安定化、設備稼働率の向上を実現しました。また、蓄積したデータは、条件整理と分析を行い、さらなる適正化を追求します。

注入

溶解した材料を砂型に流し込みます。

材料溶解

主な原材料であるスクラップを電気炉で溶解します。溶解過程で、材料成分を測定し成分調整も行います。

  • Mgワイヤーによる球状化処理

  • 発光分析機

  • 切粉ブリケット材

解枠

鉄が冷めて固まった後、砂型を落として製品を取りだす工程です。製品の表面についている砂も丁寧に落とします。

砂再生機
重量物ハンドリングロボットバイマスター

マスターアーム

本体アーム

鋳仕上げ

解枠後の製品をショットブラストにかけ、砂を落とし、湯口やバリを取ります。

機械加工

製品の仕様に合わせて、機械加工を施します。

ブリケットマシン

機械加工工程では、材料の約10%もの切削粉(切削くず)が発生します。ブリケットマシン(圧縮装置)は、この切削粉を圧縮し、鋳造で再利用が可能な個体物に加工します。切削粉から約120トン/年のスクラップ材が再生産されます。品質の向上とコストカットに大きく貢献しています。

品質検査

人による検査と三次元測定機による検査を実施し、製品精度をμ単位で確認します。

三次元測定機事業